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静岡ミュージックモール Beatfull【ビートフル】

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2015/10/29 更新

朝霧JAM 2015 @朝霧アリーナ

スタッフだって楽しい。朝霧JAM2015レポート。

今年で15回目を迎えた朝霧JAM。毎年、出演者が発表される前に1万枚以上のチケットが売り切れるイベントとして知られ、FUJIROCK FESTIVALを運営する会社「SMASH」が朝霧アリーナで開催しているものだ。視線を少し上げれば、視界の大部分を占めてしまうような大きな富士山を目前にしながら、2日間思い切り楽しめる。出演ミュージシャンも、朝霧の雰囲気にぴったりくる、どこか牧歌的なアーティストから、 海外の有名アーティストまで多岐にわたる。それでも、夜は音がとまり、富士山の麓の落ち着いた空間でキャンプをゆっくり楽しむことができる点も、このイベントの魅力である。

そんなビッグイベントを運営面で支えているのが「朝霧JAMS’(以下ジャムズ)」というボランティアチームである。今回は、このジャムズに焦点を当てつつ2日間を楽しんでみた。

数十名のコアスタッフと言われるメンバーを軸に、開催当日には「当日ボランティア(通称:当ボラ)」と呼ばれるスタッフが200名以上参加して、会場内の各所で運営に携わっている。出演者のブッキングや音響設備などの専門的仕事以外はほとんど、ボランティアによる運営が行われているのだ。

それゆえ、ジャムズの仕事はかなり幅広い。当日の来場者や、会場内を行き交う人々を案内してくれる整理部、会場内のゴミステーションを軸に環境面から支える環境部、救護やキッズエリアも全面的にジャムズが運営しているし、今回写真を提供してくれた製作部や、200人を超える当ボラのシフト調整や統括など全体の管理もジャムズ自体が行っている。

 

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写真:トゥッティーニ

 

【楽しみ方のひとつとして​】

 

200名以上の当ボラが集まるというのは実に興味深いが、会場内で見かけた当ボラさん達の表情を見ていると、答えは簡単である。「楽しいから」。CREWという緑のネームタグを首から下げた彼らは、どこで見かけても非常に良い笑顔をしている。ゴミステーションで来場者に分別の指示を出している人も、車道で安全確保をしながら誘導をしている人も、どこへ行っても楽しみながら仕事をしている様子がうかがえる。何人かと話をさせてもらったが、「元々はお客さんで来ていたけど、楽しそうだからジャムズで参加することにした。そしたらハマってしまった。」と言っていた。

 

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写真:矢部ひとみ

 

会場内のどこへ行っても笑顔で対応してくれるスタッフがいることは、フェスにとってとても重要な要素であることは間違いない。「笑顔と元気のおもてなし」という言葉を、活動のキーワードにするジャムズは、 音楽や立地的な魅力とはまた違った点、しかもより来場者との距離感が非常に近いところで「朝霧JAMって楽しい!また来年も来たい!」と来場者に思ってもらえる大きな要素となっているのだ。いわばソフト面での演出家として、ジャムズが会場内あらゆる場面での雰囲気作りを行っているように感じた。

 

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写真:れいん

【地元愛を仲間と発信】

 

200人を超える当ボラに対し、コアスタッフと呼ばれる中核メンバーが数十名ほどいる。彼らは富士・富士宮 エリアに在住のメンバーがほとんどで、年間を通して「朝霧ジャム」を軸にしつつ、会場を飛び出して地域との連携や朝霧エリアのPR活動などを行っている。

例えば、開催中に出た紙食器のゴミは地元の農家や業者の協力の元、堆肥に変わる。その堆肥を使って自分たちで畑を管理しサツマイモを育てている。そしてそのサツマイモを翌年の朝霧ジャムで来場者に食べてもらう。といった取組みも行っている。この循環システムは地元で行われるお祭りにも転用され、祭り終了後ゴミが残るばかりだった状況も改善されつつある。

 

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写真: みやちとーる

 

一方では、FUJIROCK FESTIVALへも「朝霧食堂」として出店をし、名物富士宮やきそばや地元の食材をつかった料理を提供し朝霧高原をPRしている。311以降、東北の酪農家への支援なども積極的に取り組んでいる。会場内での活動も、改めて見てみれば毎年人気エリアのキッズランドも地元の保育士を中心として運営されているし、救護チームにも地元の看護師が参加している。

自分たちが好きなことを楽しみながら発信していく、というラフなスタイルでありつつも、地場産業の酪農や観光業に通ずる町おこし的な面も持っている。地元と音楽を愛する仲間が一人づつつながることで、根を這ったコミュニティがゆるやかに形成されているようだ。「仲間がいて、自分がやるべきと思えるものがあり、行動する。」シンプルだが、そんな言葉の重みを感じられる活動である。

 

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写真:れいん

【内側からつくられる魅力】

 

2日目の終了後、陽も落ちてブースやステージの片付けも進むムーンシャインステージでは、名残惜しそうに会場に残っている人たちが長縄跳びを始めていた。その中にはCREWのタグを下げた人も数名。朝霧JAMでは ”スタッフ” と “お客さん” という壁は全くない。最後の最後までみんなが一緒になって全開で楽しんでいる姿はとても安心感がある。

 

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写真:れいん

 

改めて、朝霧JAMの魅力を思う。数多くのフェスが誕生しては無くなり、また新しいフェスがどこかで生まれる。野外フェスシーンにとって良くも悪くもこの15年間は特にそんな時期だったように思う。そんな中で今回ジャムズに焦点を当てつつ2日間を楽しんでいて感じたことは、いつまでも愛されるフェスには、そのフェスの内側からジワジワとにじみ出てくる表現しがたいものがあるということだ。

いい音楽や、気持ち良い自然はもちろんなのだが、帰り際の車やバスにいつまでも手を振ってくれる実家のおばあちゃんみたいなスタッフ達の姿は、それよりもずっと印象的である。

 

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写真:みやちとーる

 

 

Photo : [​朝霧JAMS'制作部カメラマン] トゥッティーニ / れいん / みやちとーる / 矢部ひとみ

 

Text:Ippei Tamura

ippeitamura

Ippei Tamura

Eventer(イベンター)

短大にて幼・保・小の資格/免許を取得。その後、大学に編入学し保育士を経験しながら、心理学を専攻。傍ら、アウトドアや旅・音楽・料理などにも深くのめり込み、卒業後は各地で様々なサービス業の現場を経験。24歳で地元富士市に戻り、友人と飲食店を立ち上げると共に、音楽イベント主催などを始める。3年程でお店を脱退し、野外音楽フェス≪FreeShelter≫の本格的立ちあげに協力。現在、同イベント共同代表。一方で、フリーランスとして、地域に根付いた活動にも積極的。静岡県登録世界遺産ガイドの取得や、シェアハウスの運営を始めたほか、同世代のクリエイターと≪enpitu.co≫を発足させ、商店街にて持続可能な新しい価値を模索中。
http://enpitu.co

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